児相が一時保護の10代、児童施設で死亡 広島県、対応検証へ
児相が一時保護の10代、児童施設で死亡 広島県、対応検証へ
中国新聞
2020/11/7
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広島県庁
広島県は6日、県西部こども家庭センター(広島市南区)が一時保護をしていた10代の1人が、10月31日に県内の児童養護施設で死亡したと発表した。事件性や施設側の大きな過失はなく、原因は調査中としている。今後、外部の有識者を交えて行政の対応などを検証する。
県によると、亡くなった1人はセンターに一時保護され、生活環境などを踏まえて数カ月前からこの施設で過ごしていた。本人と遺族のプライバシーや他の児童への影響を考慮し、住所や性別、死因、施設名などは公表しないという。
県は原因の調査を進めるとともに、他の児童の心のケアを進めている。県こども家庭課の岡野浩子課長は「子どもの安全が守られるべき場所での保護中に起きた事案で、重く受け止めている。県民や関係者に迷惑、心配を掛けて申し訳ない」と話した。
センターは児童相談所として、広島市を除く県西部の7市7町を受け持ち、児童虐待などの対応に当たっている。広島文化学園大の下西さや子非常勤講師(児童家庭福祉学)は「施設が子どものセーフティネットになれなかったのは残念だ。詳しい背景を調べ、今後起こらないようにするのが大事になる」と指摘した。